ふるさと納税の記事で「限度額を把握しましょう」的な事を書いたところ、「自分の限度額が分からない」という声がありました。実は意外と難しい問題です。というか「目安額」の計算方法が出回っている事自体が、正確な金額を簡単には計算できない事の証拠です(*1)。

  多分同じ悩みを抱えている人は他にもいそうなので、これについて少し補足。

  結論から言うと、正確な限度額は「その年の年末まで分かりません」。なぜなら、その年の収入に応じて所得税・住民税が決まり、その額に応じてその年の限度額が決まるからです。今(2月)の時点で今年いくら稼ぐか分かりますか?という話になってしまいます。一応計算式を下の方に書いてみましたが、複雑なので面倒な場合は無視してください。

  正確な限度額が分からない以上、見込みで目安額を予想するしかありません。そのためにはまず「今年の年収」をざっくりでもいいので予想する必要があります。「今年の年収も去年と同じくらいだろう」と予想するなら、去年の年収が一つの目安になるので、前年の源泉徴収票(確定申告書)、もしくは6月に届く(前年の)住民税通知書を元にネット上のシミュレーションに入れれば目安額が出てきます。自営業の方なら、事業計画の売上予測等の数字を参考に。

  ただ、目安額を出しても、年の初めからいきなりその金額分を目一杯ふるさと納税するのはお勧めできません。なぜなら、途中で転職等で給料が変わったり、売上予測が大幅に外れたりすれば、目安額と実際の限度額のかい離が大きくなるからです。まあ年収が大幅に減ってしまったら、その時点でふるさと納税どころではなくなるとは思いますが…
  よほど欲しい物があるのでもなければ、1月~12月を通して様子を見ながら少しずつ納税、でいいのではないかと思います。ふるさと納税自体が初めてなら、思い立った時点でまずは10,000円程度寄付してみる。(前年の)住民税通知書が届く6月頃に、もう一度年収の見込みと目安額を見直し、追加で寄附。11~12月くらいには年収もほぼ確定するので、改めて限度額を算出し、まだ寄付できる金額が残っていたら消化する。勿論、慣れてきたらご自身のペースでやって頂ければいいと思いますが。

  ちなみに限度額を超えて寄付するとどうなるかと言うと、限度額を超えた分が自己負担になります。別に限度額を超えた寄付が「できない」わけではないので、自己負担してでも欲しい物がある、という事であれば、全然ふるさと納税しても問題ありません。ただ、限度額を把握せずに寄付してしまうと、「自己負担は2,000円だけだと思っていたのにもっと多かった!」とぬか喜びに終わってしまう恐れがあるので、気を付けた方が良いと思います。




============================(補足:やや複雑な計算あり)============================
  ふるさと納税をやるとその年の所得税が還付され、翌年の住民税が減額されるのですが、その内訳は以下の3種類があります。
  1. 所得税分:(寄付金-2,000)×所得税率分
  2. 住民税分:(寄付金-2,000)×10%
  3. 住民税の特例分:(寄付金-2,000)×(90-所得税率分)
  1.,2.,3を合計すると、必ず(寄付金-2,000)円になるようになっているのですが、このうち3.に、「住民税の所得割額(*3)の20%まで」という上限があります。そこから限度額を逆算すると、下記の式になります(*4)。

{(所得割額)×20% ÷ (100% - 10% - 所得税率)} + 2,000
                  3.              2.   1.      自己負担           

  自分で計算するとしても、エクセルに計算式を組み込んで後はそこに任せた方が良いと思います。
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(*1)…そもそも簡単に正確な金額が計算できるくらいなら、「目安額」など不要。
(*2)…これもその人の年収・所得によって変わります。
(*3)…翌年の6月に届く住民税通知書で確認可能。一応ネット上でググれば自分でも計算可能。というか自分で限度額を計算するなら所得割額も自力で計算する必要がある。
(*4)…作成に当たり、下記のサイトを参考にさせていただきました。
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html