契約書の細かい文言に悩まされて残業がかさんでしまいました。例えば接続詞一つとっても、「及び」と「並びに」で意味が違ったり(*1)と、二郎がラーメンではないのと同様、契約書も日本語ではなく契約書語と思った方が良いのかもしれません。意図するのは「曖昧さの排除」なので、いっそ数式やプログラミングと同じものだと考えれば、SEとしては却ってわかりやすいのかもですが。なまじ日本語に見えるせいでどうしてもわかりにくく見えてしまいます。

  ただ、言うまでもなく契約書を読んで理解するのは重要です。というか契約書を理解せずに物事を進めるのは大変危険です。
  契約書の条文には自分と相手方の義務と権利を書きます。自分の義務を読み飛ばすと、そこに何が書いてあっても後から文句は言えず、本来なら不要だった面倒な作業をやらされたりする羽目になります。逆に自分の権利をきちんと書かないと、本来ならやってもらえることをやってもらえなかったり、等の不利益を被ります。
  契約書に書かれていない事項は、法律(民法)に従います…が、逆に法律に反しなければ何をしようと自由ですし、逆に契約書に書かれた条文は、明らかな法律違反でもない限り、民法より優先されます。そして法律は必ずしも自分にとって有利な事を規定してくれてるとは限りません。
  なので契約書は自分の権利を最大化し、自分の義務を最小化する方向で作るのが大原則。これを極論したのが表題のセリフになります(*2)。逆に自分にとって受け入れ難い条文が入っていて、なおかつそれを外せない契約は結ぶべきではありません。

  契約書が大事なのは仕事のみにあらず、私生活や資産運用も同様です。むしろ「仕事で契約とか扱わないから自分には関係ないなー」なんて思ってると危険です。
  よく問題になるのは保険の支払い条件とかでしょうか。がん保険だと聞いて入ったのに、実は保険金が下りるのはがんの中でも一部の重い物だけだった、とか。5,000万円の終身生命保険に入っていたと思っていたのに、実は61歳以降は100万円しか保証されない契約だった、とか。尤も、保険の約款は個人ごとに変えられないので、自分の方から自分に合った保険を探さないといけませんが。今から入る保険に気を付けるのは勿論、加入済みの保険も内容を把握していなければ、一度見直した方が良いと思います。

  資産運用と言えば、不動産経営でも契約書には注意が必要です。不動産を売買する際、当然契約書を締結しますが、こちらは先述の保険の約款と違い、売り主と買主で交渉して条文を自由に変えられます。だからこそよく読まないと、しれっとこちら側に不利な条文が入れられたりします。
  かくいう私も、先日マンションを売った時、先方から提示された契約書案の中に、登記関係で「必須ではないが手間と金のかかる手続き」を売り主負担で実施する、という条文があったのを見逃しかけ、危うく数万円の余計な負担を負わされるところでした。幸い、この時は契約書を見てもらった第三者の助言で事なきを得ましたが。自分で知識を付けるのも大事ですが、もっと詳しい人に相談するのも大事だなあ、と思った次第でした。



(*1)…「及び」は小さい単位のグループ分け、「並びに」はより大きな単位のグループ分けに使用する。
 例)「ニンジン及びジャガイモ及び玉ねぎ並びに牛肉及びウィンナー並びに白米及び雑穀米並びにカレールウ」
…なぜ契約書の話なのにカレーの材料かって?だって契約書に書かれてないからって勝手に蛙の尾頭付きとか入れられても困るじゃないですか。

(*2)…ちなみにこのセリフは、昔某法律家から民泊のセミナーを受けた時に聞いた物。決してエフタークの個人的見解ではありませんだからって否定もしないがな!