【要約】

(1)保険金はいざという時に貰えなければ意味がない

(2)「保険料はいくらくらいが良いか」ありきで入るのは頓珍漢です

(3)自分の抱えるリスクと、自分の保険の内容をよく知りましょう


【所感】

  保険の「出口戦略」を考えるのに有益な本です。

  保険について考える時、「保険料は(自分の収入の場合)いくらくらいが妥当か」「同じ保障に対する保険料がお得なのはどの会社か」等を考える人は多いと思います。しかし、これは保険の一側面にすぎません。

保険の出口戦略を考える

  保険も資産運用の一つである以上、出口戦略を考える必要があります。そして保険のそれは、基本的には「いざという時に」「お金を受け取る」事です。自分にとって、「万が一起こった時に金銭的に困る事」は何なのか?を検討したうえで、それに対応できる保険に入る。入ったら入ったで、「いざという時」にどうすればお金を貰えるか?を事前に確認しておく。生命保険なら、請求するのは自分ではなく、残された家族なので、その方法や、必要な資料・情報(保険証券や証券番号)を家族と共有しておく。

  こんな感じで、保険には「保険料はいくらくらいが妥当か」以前に考える事が、前にも後にもたくさんあります。とはいえ単に「たくさんあります」だけでは、いくら考えてもきりがなく、意思決定の一つもできません。最低限どんな事を考慮すればいいのか?についてまとまった情報を得る上では、本書が非常に役立つと思います。

古い情報に注意

  一方、一部は古い情報もあるので注意。例えばp30にこんな記述があります(下線はエフタークが追記)。

故人がひとり暮らしであったとか、家族に保険に加入したことを伝えていない恐れがある場合、遺品整理とともに速やかに保険証券を探しましょう。また、保険証券が出てこなくても、紛失している可能性があります。こうした場合、すべての生命保険会社に連絡をして、故人の氏名や生年月日を伝えて、生命保険契約があるかどうかを確認してみるのも一つの方法です

  本書が書かれた2006年なら兎も角、今日び家族の人が保険会社に問合わせても、本人以外の質問に回答してもらえる事はまず考えられません。個人情報に関する縛りは年々厳しくなっているため、本人以外に契約情報を開示する事は金融機関にとっては禁忌だからです。


  このため、家族を受取人とした生命保険に入っているなら、その存在を家族に周知すると共に、保険証券のありかも共有しておく必要があります。


  こんな感じで、書かれている事全てを鵜呑みにできるわけではありませんが、保険に入っている人が考えるべきことは何か?と言う問題提起の意味では、本書は十分有効だと思います。


【リンク】

こんな時、あなたの保険はおりるのか?