Sky_Tower-41_Yamagata_Japan_Wikipedia
(参考画像:Wikipediaより引用)

ネット上でこんな記事がありました。

『不動産投資の罠 地主語る窮状』 現代ビジネス 9/4(月) 21:55 掲載
「ウチでアパートを建てれば、賃料を固定で保証します」。夢のようなトークで巧みに近づいてくる不動産業者と、高額の建築費を簡単に貸し出す銀行の融資担当者。彼らは決して、我々の味方ではない。

(記事より冒頭部分を引用)

記事概要・所感

  • (1)土地活用のため、アパートを建てた
  • (2)競合物件殖えて空室増
  • (3)サブリース減額→ローン返済行き詰る
  不動産経営でよく聞くトラブルの話です。記事では当然の如く、建築会社や銀行が悪者扱いされています。確かにそれらにも落ち度がないとは言えませんが、よくよく読んでみると、土地の持ち主(記事のAさんやCさん)にも少なからず落ち度がある事が分かります。

(1)契約書を確認していない

  例えばAさんの場合、サブリースの減額条項が契約書に書いてあるのを見落としていました。本来は契約を締結前に確認し、納得いかなければ条項を書き換えるよう交渉するか、どうしても無理なら契約を見送るか、その判断をしなくてはなりません。契約書に書いてある事を、後だしで「知らぬ存ぜぬ」は通りません。営業マンが説明したかどうかや、字の大きさ・書式は関係ありません(*1)。

  Cさんの場合、意思決定の決定打となった「買い戻し条項」が契約書に存在しない事に長年気付いていませんでした。これも本来なら契約前に確認し、入れてもらうか、入れてもらえないなら契約を見送るか、判断するべきでした。

  いずれにせよ、契約書の内容自体が嘘だったならまだしも、契約書の中身(それも、自分の意思決定に直結するような重大な条項)をきちんと確認していないのは重大な落ち度です。身も蓋もない事を言えば、契約行為という物を舐めているとも言えます。こんなこと書きたくないですが、一体現役時代に何を考えて仕事をしてたんでしょうか

(2)銀行の担当者は保護者ではない

  当たり前のように「銀行が借り手であるこちらの立場でしっかり審査してくれていたら」等と宣う事に違和感を禁じえません。投資家どころか消費者として見ても甘えすぎです。お客様は神様とでも思ってるのでしょうか。

  銀行が営利団体で、その収益源が手数料や金利である以上、銀行の融資担当者は銀行に利息収入をもたらすのが仕事です。記事にあるようなずさんな融資審査が事実なら確かに問題ですし、Aさんのケースもこれに該当していたのかもしれませんが、借主の方も自分に運営責任があるという当事者意識が見えません。

資産運用は自己責任

  不動産経営に限らず、資産運用にリスクは付き物で、それをゼロにすることはできません。リスクの内容を洗い出し、自分が対応できるかどうかを見極める。対応できると判断したなら、どういう状況で何をするかを決めておく。対応できないと判断したなら手を出さない。

  この判断をするのは自分です。必要に応じて各種の専門家を信頼し、助言を乞う事はあっても、最終的にすべての資産運用は自己責任です。

  不動産を持つ身として、決して他人事ではないこの記事。サブリースこそ使いませんが、空室リスクだの、返済遅延からの差押えリスク等は無縁ではありません。そのリスクを顕在化させないための施策がうまく行けばよし、うまく行かないにしても、記事のような他責思考には陥りたくないと思った次第でした。

注釈

(*1)…宅建業法上は説明の義務があるので、契約書上に書いてある事は(営業マンではなく)宅建の有資格者から説明を受けているはず…覚えていなければ意味がないが